日本応用動物昆虫学会誌
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キボシカミキリの発生に関する生態学的研究
II. 幼虫の蛹化におよぼす日長条件
江森 京
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1979 年 23 巻 3 号 p. 170-172

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抄録

津久井,綾部および大洲で採集したキボシカミキリ成虫の卵から孵化した幼虫を用いて発育におよぼす光周条件の影響を調べた。
その結果,13L・11D以下ではどの系統の幼虫も200日以上を経て蛹化し,さらに羽化した。このことから短日条件では年1世代であることが分った。長日条件では幼虫の発育が促進され,100∼150日以内にどの地方系統のものも蛹化した。したがって本種幼虫の発育に対する臨界日長は13Lと14Lとの間にある。
幼虫の飼育環境を短日条件から長日条件に切り換えると,どの地方系統の幼虫も長日接触後1ヵ月以内に蛹化し羽化した。

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