水田におけるイネミズゾウムシの越冬成虫および幼虫(2齢以上)・土まゆの分布様式を調べ,密度推定を一定精度で行うために必要な標本数(調査株数)について検討した。
越冬成虫は,発生盛期には畦畔から水田中央部までの寄生割合はほぼ一定であった。けれども,水田侵入直後では畦畔近くの株に寄生割合が高く,逆に発生終期では水田中央部で寄生割合が高くなる場合もあった。
株単位の分布様式を平均値・平均こみあい度の回帰分析法により解析した結果,成虫および幼虫・土まゆの両方ともが個体単位でランダムに近い,弱度の集中分布をしていることが明らかになった。
分布様式の解析結果に基づいて,一定精度での平均密度と必要調査株数の関係を表わすグラフを成虫および幼虫・土まゆのそれぞれに対して描いた。