日本応用動物昆虫学会誌
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ニカメイガ個体数の長期変動に見られる偶然性
害虫個体群の長期変動についての研究 (第3報)
内田 俊郎
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1959 年 3 巻 3 号 p. 177-182

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抄録

本邦各地で得られているニカメイガの誘殺ガ数の長年変動を統計的に分析した。個体数の多かった世代の次には減少し,低密度の世代の次には増加する傾向が認められたが,それは偶然性によっても期待される。しかし,大発生の起こる世代には全く偶然変動によらない特殊な機構が働いていることが推察された。同様なことはドイツのシャクガの個体数変動の記録にも認められた。以上の結果から,大発生以外の世代における個体数変動は気候的な要素が決定論的な作用を及ぼすことによるとは考えられず,むしろ種々な環境要素が複雑に働いて生じた偶然変動によるとしか解釈されない。その結果としてNICHOLSONの説くような平衡状態を形造っているように思われる。

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