32 巻 (1988) 3 号 p. 176-181
1985年5月,小笠原諸島の父島と母島においてアフリカマイマイの生息状況を調査し次の結果を得た。
1) 本種生貝は集落,農耕地,車道沿いの地域および戦前の放棄地など人為的攪乱が行われた地域に広く分布しており,人為的影響度の低い地域では,本種の出現率は低かった。生貝に比べ死貝はより広域に分布していたが,一部はオカヤドカリ類による2次的分散の可能性が高い。
2) 人為的攪乱地のなかでも戦前の放棄地と比べ集落,農耕地など現在も開発が続いている地域で生貝密度が高かった。人為的攪乱を受けていない地域の生貝密度は人為的攪乱地より低い傾向を示した。
3) 大型個体は人為的攪乱が恒常的に続いている集落や農耕地に少なく,人為的攪乱を受けた地域と受けていない地域がとなりあう山地車道沿いや戦前の放棄地であるB地域に多い傾向を示した。
4) アフリカマイマイにとって好適な生息地は集落や農耕地など開発が続いている地域であり,開発の進行とともに密度は増加するが,殻高は小型化すると考えられる。