日本応用動物昆虫学会誌
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コナガの有機リン剤抵抗性の安定性
浜 弘司
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1988 年 32 巻 3 号 p. 205-209

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抄録

有機リン剤抵抗性の発達程度の異なる6個体群のコナガを,薬剤に接触させずに継代飼育し有機リン剤抵抗性の安定性について検討した。
いずれの個体群も継代飼育によって有機リン剤に対する感受性は高まったが,その速度は個体群によって異なった。すなわち,抵抗性発達が中程度の長久手,高野個体群では2, 3世代の飼育で一部の薬剤に対する感受性は回復したが,抵抗性発達の著しい嬬恋,横田,御坊,那覇個体群の大幅な感受性の回復は10数世代から20世代以上を要した。
また,御坊個体群では30世代の検定でもかなり高い抵抗性を保持していた。
抵抗性発達の著しい4抵抗性個体群の感受性の回復は薬剤間で大きな違いがなく,感受性は回復しても抵抗性スペクトルの変動は小さかった。

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