日本応用動物昆虫学会誌
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コナガのfenvalerate抵抗性の安定性
浜 弘司
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1988 年 32 巻 3 号 p. 210-214

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抄録

fenvalerateに高度の抵抗性を示す野外個体群のコナガを薬剤に接触させずに継代飼育し,fenvalerate抵抗性の変動を調べた。
fenvalerate抵抗性の変動は供試した10個体群で異なったが,その変動の特徴によって供試個体群は次の3群に類別された。すなわち,数世代で感受性が著しく高まった第I群,感受性は徐々に高まるが10数世代でも高い抵抗性を維持していた第II群,10数世代の検定で当初の高い抵抗性を保持していた第III群の3群である。
この3群に属する各個体群について,採集当初のfenvalerateに対する抵抗性レベル,その抵抗性機構,有機リン剤抵抗性の発達程度および採集場所などを検討したが,各群を区別する特徴を見いだすことはできなかった。
第I群の個体群でfenvalerate抵抗性がいったん消失した益田個体群では,fenvalerateの2回の淘汰によって元の高い抵抗性レベルに達することが確認された。

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