36 巻 (1992) 2 号 p. 113-118
チュウゴクオナガコバチ(Ts),クリマモリオナガコバチの早く羽化する系統(TbE),および遅く羽化する系統(TbL)の成虫の生存期間とクリタマバチ虫えいへの産卵数を自然温度条件と定温条件の実験室内で調査した。
1) 自然温度条件下での成虫生存期間の長さはTbE>TbL≥Tsで,平均生存期間は雄では1か月以上,雌では1.5∼2か月以上に及んだ。
2) 10∼25°Cの定温条件下では,TsとTbEの雌雄およびTbL雌の生存期間は低温側で長く(10°C:68∼106日),高温になるにつれて短縮されたが(25°C:9∼23日),TbL雄は15°Cの生存期間(43日)が最長で,10°C(18日)では逆に著しく短くなった。
3) 自然温度条件下での雌当り平均総産卵数は,Tsでは71.0で,TbEの25.6,TbLの18.8に比べて明らかに多かった。産卵前期間はTbEが12.5日で最も長く,TsとTbLは4∼5日でほぼ同程度であった。
4) Tsは,死亡直前まで連続的に産卵するのに対し,TbE, TbLの産卵は断続的であった。日当り最高産卵数は,Tsで10.5, TbEで6.0, TbLで9.0であった。
5) 10∼25°Cの定温条件下では,TsはTbEのほぼ2倍前後産卵した。また,Tsでは,20°C付近が産卵に関する最適温と考えられた。