フウナガマダラオオアブラムシについて1990年10月∼1992年4月まで分布と発生状況を調査した。
1) 1990年11月,倉敷市岡山大学資源生物科学研究所構内で,本種が発生増殖しているのをみつけた。これは日本における最初の記録である。
2) 1992年4月までに倉敷,岡山,伊丹,大阪,京都,呉,つくば,中村,高知,南国の各市と高知市周辺の3か町村で発生が認められた。
3) 本種の寄主植物はフウとモミジバフウで,胎生雌虫により通年増殖している可能性が強い。これまでに両性世代虫はみつかっていない。
4) 本種の侵入経路は不明である。発生状況から推定すると,日本に定着が可能で分布域をさらに拡大することが考えられる。