本研究では,テントウムシの足跡物質の構成成分が種によって異なることが明らかとなった。オオニジュウヤホシテントウとニジュウヤホシテントウは近い種であり,炭化水素類とモノエステル類がその主成分であった。一方,ナナホシテントウは炭化水素類のみより成っていた。そして,足跡物質の炭化水素類とモノエステル類には,メチル側鎖や不飽和結合が存在した。
また,足跡物質は脚の第1フ節,第2フ節からのみ分泌されると考えられたが,虫体成分と足跡物質に違いは認められなかった。しかし,脚のフ節部分からは他の虫体部分と比較すると,多量の脂質成分が分泌されることが明らかとなった。