日本応用動物昆虫学会誌
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ミカンキイロアザミウマFrankliniella occidentalis (PERGANDE)の発育と産卵に対する温度の影響
片山 晴喜
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1997 年 41 巻 4 号 p. 225-231

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抄録

ミカンキイロアザミウマをキクの小花または葉を餌として恒温条件下で飼育し,発育および増殖に対する温度の影響を検討した。
1) キクの小花を餌とした場合,産卵から羽化までの発育期間は,15, 20, 25, 30°Cの各飼育温度で,それぞれ34.2, 19.2, 12.1, 9.5日であり,発育零点および有効積算温量は9.5°C, 194日度と推定された。
2) キクの小花を餌とした場合,15, 20, 25, 30°Cの各飼育温度における雌成虫の生存期間は,それぞれ37, 46, 64, 99日と比較的長く,総産卵数は飼育温度による大きな差はなく,230∼250卵程度であった。
3) キクの葉を餌とした場合,幼虫および蛹の生存率および発育期間は小花を餌とした場合と同じであったが,成虫の生存期間は短く,特に産卵数が低下した。
4) キクの小花は本種の増殖にとって好適であり,日当たり内的自然増加率は温度の上昇とともに増加し,30°Cで最も高く,r=0.198であり,1か月当たり増加倍率は377倍であった。

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