日本応用動物昆虫学会誌
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DDTの殺虫力に及ぼすフォーミュレーションの影響
シャーマン マーチン早川 充
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1962 年 6 巻 2 号 p. 150-157

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抄録

アズキゾームシおよびセンチニクバエに対するDDTの殺虫力に及ぼすフォーミュレーションの影響について,市販3種の水和剤,3種の乳剤,および実験室で調製した乳化剤添加のpp'-DDTアセトン溶液を使って実験した。
薬剤の処理はターンテーブルを内蔵する沈澱塔を使用し,直接虫体に散布した場会およびラッカー吹付厚紙に散布し,これに供試昆虫を接接させた場合の殺虫力を50%致死濃度で比較した。
虫体散布の殺虫力は乳剤が水和剤より強かったが,ラッカー吹付紙による殺虫力は,ペースト型のものを除きすべての乳剤は水和剤より弱かった。ペースト型のものはアズキゾームシに対し水和剤と同等であった。
またpp'-DDTのアズキゾームシに対する殺虫力に及ぼす各種溶剤の影響について試験した。ケロシン,α-メチールナフタレン,シクロヘキサノンは直接虫体処理の場合,溶剤のみで100%の死虫率を生じた。DDTのキシレン溶液は乳剤と同等の殺虫力があったが,アセトン溶液は劣った。ラッカー吹付紙に処理した場合にはいずれも殺虫力がなかった。

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