日本応用動物昆虫学会誌
Online ISSN : 1347-6068
Print ISSN : 0021-4914
製粉・精麦・飼料工場の貯穀害虫相の特徴
新害虫の定着の足がかりとしての役割
桐谷 圭治村松 有吉村 重章
著者情報
ジャーナル フリー

7 巻 (1963) 1 号 p. 49-58

詳細
PDFをダウンロード (1251K) 発行機関連絡先
抄録

輸入玄麦およびトウモロコシをあつかう製粉・精麦および飼料工場が新害虫の侵入定着の足がかりにどのような役割をしているかを評価するために1957∼1960年にわたり近畿地方の外麦処理工場を対象として調査をおこなった。すなわち製粉工場36,精麦工場44,飼料工場10をそれぞれ延べ113回,135回,35回調査した。別に1956年に京都市およびその周辺部のおもに消費者を対象として163ヶ所を調べた。製粉と精麦工場の害虫相にはほとどん違いはないが,飼料工場では,ガイマイゴミムシダマシAlphitobius diaperinus,カツオブシムシ類Dermestes spp.,ホシカムシ類Necrobia spp.,コクヌストモドキTribolium castaneum,ノシメコクガPlodia interpunctellaが前2者でみられるよりはるかに高い頻度でみられる。
本調査で発見された種類のうち農家などではみられない種類はフタオビゴミムシダマシAlphitophagus bifasciatus, Alphitobius ovata, A. diaperinus,ケシキスイの1種Carpophilus marginellus,オオヅノコクヌストモドキGnathocerus cornutus,コメノコクヌストモドキLaetheticus oryzae,アカアシホシカムシNecrobia rufipes,アカクビホシカムシNecrobi ruficollis,ヒラタヒメコクヌストモドキPalorus subdepressus,ヒラタコクヌストモドキTribolium confusum,スヂコナマダラメイガAnagasta kuehniellaである。農家,工場の両方において発見されるが,工場内の特殊な環境条件がその定着,増殖を助けていると考えられる種類はヒメカツオブシムシ,Attagenus megatoma,カクムネヒラタムシ類Cryptolestes spp.,クリヤケムシCarpophilus hemipterus,カツオブシムシ類Dermestes spp.,タバコシバンムシLasioderma serricorne,ヒメコクヌストモドキPalorus ratzeburgi,コナナガシンクイRhizopertha dominica,ココクゾウSitophilus sasakii,コメノゴミムシダマシTenebrio obscurus,コクヌストモドキTribolium castaneum,コナマダラメイガCadra cautella,ナカバヒロズコガHomalopsycha agglutinata,およびカシノシマメイガPyralis farinalisである。
結論としてこれらの新害虫の土着化を防ぐためには,害虫の侵入-定着-害虫化という各段階に応じて侵入阻止-ぼく滅-防除(control)の方法が原則として取られるべきことを強調した。

著者関連情報
© 日本応用動物昆虫学会
前の記事 次の記事

閲覧履歴
feedback
Top