日本応用動物昆虫学会誌
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人工飼料によるニカメイチュウの累代飼育に関する研究
第2報 アスコルビン酸要求について
釜野 静也
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1964 年 8 巻 2 号 p. 101-105

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抄録
1. ニカメイチュウは今までの合成飼料では完全に生育や発育することができなかったが,この飼料にアスコルビン酸を添加することにより,世代のくり返しが可能となった。
2. 飼料100g当り200∼400mgのアスコルビン酸を添加すると,よく生育した。すなわちアスコルビン酸の添加は幼虫の体重や蛹化率を増加させ,雌蛹を正常に羽化させ,産下卵数を多くし,孵化を良好にした。
3. 幼虫発育の初期にも,少量のアスコルビン酸が存在している方が生育は良かった。それに対し幼虫末期には多量のアスコルビン酸を要求した。
4. 乾燥酵母を既知のビタミン類でおきかえた純合成飼料では,生育が十分でないことから,この虫の生育に必須な未知の物質が,米ヌカ,イネ茎および乾燥酵母に存在することがわかった。
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