【目的】通いの場に参加する高齢者のCOVID-19禍における生きがい感の変化を明らかにする.
【方法】高齢者598人に無記名自記式任意の質問票を配布した.2020年4月の緊急事態宣言発出後,2回の縦断研究を実施した.調査内容は健康実態,精神的健康度,ソーシャルサポート,生きがい感である.分析方法は,健常高齢者と非健常高齢者の2群に分類し比較した.
【結果】有効回答は240人で,健常高齢者(n=184)は生きがい感が1回目と比べ2回目に低下しており(P=0.002),非健常高齢者(n=56)はうつ状態が改善し(<0.001),ソーシャルサポートが向上していた(P=0.003).
【結論】健常高齢者の生きがい感は社会活動の制限等により低下したと考えられる.非健常高齢者のうつ状態が改善した背景としてソーシャルサポートの関与が示唆されたことから,継続的に通いの場に参加できる支援の重要性がうかがえた.