2012 年 5 巻 1 号 p. 83-87
人は、思いがけない四苦八苦の状況下に直面したとき、自己存在の根本的な意味や価値にかかわる"魂の叫び"を発します。この"魂の叫び"に内包された、スピリチュアルペインに、人は、どのように対応してゆくのでしょうか。
スピリチュアルペインから立ち直るために、人々は、人間的限界や有限性を持たない世界に新たな“生きる喜び”や“ 生きる力”“ 生きる意欲”を求めています。そのための方法の一つとして、自己回復力を目覚めさせ治療に導く補完・代替医療(complementary and alternative medicine ;CAM)・代替療法があります。今回は、その中の宗教的療法であるシャーマニズム文化が息吹き、西洋医学の治療を受けつつシャーマン(ユタ、イタコ)を訪れ、“生きる力”“ 生きる意欲”の向上と良好な状態の強化を図っておられる青森県の人々を通して、スピリチュアルケアについて考究したいと思います。