目的
妊娠期のセルフケア行動に関するセルフモニタリング用チェックシートを作成し, 妊婦によるモニタリングの妥当性を検討する。
対象と方法
[調査1] 妊婦55名を対象に妊娠中の健康の維持・増進に関する体験や考えについて自由記述で調査を行った。
[調査2・3] 妊婦31名 (妊娠週数19~38週) を対象にチェックシートによるモニタリングと歩行数・身体活動量の測定, 起床・就床時間, 入眠潜時, 食事内容の調査を7~8日間行った (調査2)。調査3ではモニタリング前後に不安, 抑うつの測定と個別面接を実施した。
結果
調査1から得られたデータをもとに, 睡眠状態, 胎動, 腹部緊満・出血, 体重, 食事, 運動, 生活, 気持ち (快適度), 母親イメージ, 胎児とのコミュニケーションの10のチェック項目と自由記述欄からなるチェックシート (デイリーマタニティチェック) を作成した。調査2・3では, (1) 1日の歩数と運動のモニタリングや入眠潜時と睡眠状態, 胎動, 腹部の緊満に関するモニタリングと関連があった。(2) 日中の日常生活動作, 腹部の緊満感や心理状態が睡眠に影響した。(3) 食事内容や自由記述内容とモニタリングの整合性が確認された。(4) セルフモニタリングにより妊婦の行動や感情を客観的に振り返ることができた。
結論
デイリーマタニティチェックを用いることにより, 妊婦への負担も少なく, 客観的なセルフモニタリングができることが確認された。