日本助産学会誌
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若年母への対応に関する支援者の姿勢
─北米における調査から─
安達 久美子小川 久貴子恵美須 文枝
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2007 年 21 巻 1 号 p. 1_52-1_59

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抄録

目 的
 若年母への多様な支援が実施されている北米の支援者を対象に,支援者としての若年母への対応時の姿勢を明らかにすることを目的に調査を行った。
対象と方法
 若年母への支援にあたり必要な研修を受け,現在若年母への対面支援を行っている専門家の2つのグループに半構成的フォーカスグループインタビューを実施した。質問の内容は,「若年母を支援する際の支援者としての重要な姿勢は何か」とし,得られたインタビュー内容を質的に分析した。
結 果
 支援者としての若年母への重要な姿勢としては,理念(尊重する,判定をしない,信頼する,若年母の持つ力を信じる),若年母のとらえ方(母である前にティーンエイジャーである,妊娠・出産をネガティブにとらえない),構え(多様な文化・価値観を理解する,真実を伝えること)の3つがあることが明らかになった。これらの背景には,若年母の特徴として,貧困,生育歴の中での不当な扱い,複雑な家族背景,若年で妊娠・出産したことによる社会からの偏見や差別,思春期の若者の特色があることがわかった。
結 論
 支援者は,若年母の現状や特徴と思春期の若者であることを理解し,自らが若年母を尊重し,肯定的な姿勢で支援をしていくことが必要であることがわかった。

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© 2007 日本助産学会
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