日本助産学会誌
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陣痛誘発剤使用時の産痛の強度
我部山 キヨ子
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1997 年 11 巻 1 号 p. 17-24

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抄録

陣痛誘発群16人, 陣痛促進群34人を対象に, 潜伏期・活動期・極期・分娩第二期・分娩第三期の産痛の強度を調べ, 正常経膣分娩群の産痛の強度と比較した。また, 産痛の強度の経日的変化を調べるために, 前向き調査と併せて, 分娩後24~48時間に後向き調査も行い, 次の結果を得た。
1.3群ともに, 初産婦では極期の産痛が, 経産婦では分娩第二期の産痛が最も強く, その中では陣痛誘発群で最も強かった。
2.初産・経産ともに, 分娩第三期の産痛は陣痛誘発群が最も強かった。
3.陣痛促進群の産痛は, 正常経膣分娩群と陣痛誘発群の中間値を示した。
4.正常経膣分娩群と陣痛促進群は, 前向き調査の産痛の強度が後向き調査の強度よりも強かったが, 誘発群では, 後向き調査のほうが強かった。
陣痛誘発剤使用時のケアの向上のために, 誘発分娩の適応の厳正化と陣痛誘発剤の使用法の適正化の推進, および産痛緩和ケアのよりいっそうの充実の必要性が示唆された。

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