日本助産学会誌
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胎児心拍測定法と助産婦の行為との関連に関する研究
島田 真理恵
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1998 年 12 巻 2 号 p. 23-31

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抄録

本研究は, 胎児心拍測定法の相違によって, 助産婦の産婦に対する行為に特徴が生じるか否かを明らかにすることを目的に, 参加観察によって得られた助産婦の行為を観察場面ごとに分析・検討したものである.観察のなかで, 助産婦が担当した産婦は低リスクの産婦であり, 分娩第1期経過中は, 間歇的聴診法および分娩監視装置による持続的測定法の両方法を受ける状況下にあった.
間歇的聴診法をとった33観察場面と持続的測定法をとった34観察場面, 計67観察場面を分析した結果, 以下の知見を得た.
観察場面は, 情報収集とケアが観察される場面 (情報収集・ケア型) と情報収集のみが継続して観察される場面 (情報収集のみ型) に分類された.そして, 間歇的聴診法の観察場面では, 情報収集・ケア型が72.7%認められたが, 持続的測定法の観察場面ではわずか29.4%でしかなかった.
また, 持続的測定法の場面では, 分娩監視装置の装着が産婦の体位を固定し, 助産婦のケアの種類を制約することが推察されること, 機器の調整に時間をとられる場合があることが, 明らかとなった.

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