日本助産学会誌
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産婦の体温変動パターンによる分娩経過の特徴
岡村 晴子
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2000 年 14 巻 2 号 p. 48-58

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抄録

正常分娩経過中の体温変動パターンと分娩経過の特徴を明らかにすることを目的に本研究を行った。深部温モニターを使用し, 経腟分娩の産婦33例の中枢 (前額)・末梢 (足背) 深部温を継続測定した。その結果, 主に3つのパターンが確認された。
1.「中枢・末梢ともに下降」グループ;このグループの分娩経過は, 静かに経過し確実に進行するという特徴があった。
2.「中枢上昇・末梢下降」グループ;このグループの分娩経過は, 痛みの訴えの強い緊張タイプという特徴が認められた。
3.「中枢・末梢ともに上昇」グループ;このグループの分娩経過は, 子宮口の開大が停滞したり, 努責時間が長いなどの運動量の多い特徴があった。
以上より, 分娩進行中には体温変動がみられ, タイプ別の助産授助を考える必要が示唆された。

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