日本助産学会誌
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座位による産痛緩和効果の検討
安達 久美子島田 三恵子
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2001 年 15 巻 1 号 p. 6-13

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抄録

座位または前傾位の姿勢をとることによる産痛緩和の有無, およびその臨床的有効性を検討することを目的とし, 分娩第1期後半期 (子宮口開大6cm-8cm) の50名の産婦 (初産婦33名, 経産婦17名) を対象として, 座位と仰臥位による産痛を, VAS (Visual Analogue Scale) を用いて測定し, 点数化し分析した。その結果, 部位を特定しない全体的な痛み, および腰背部痛は, 座位のほうが仰臥位より疼痛点数が有意に低かった。座位による産痛の軽減は, 100mmのVASで臨床的な意味をもつとされる13mm以上であり, 特に腰背部痛の軽減が著明であった。腹部痛は, 座位と仰臥位の間に有意の差は認められなかった。また, 仰臥位で52%, 座位で34%の産婦が腰部を最も痛いと感じていた。本結果より, 座位は産痛, 特に腰背部痛を軽減し, 産痛緩和法として有効であることが示唆された。

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