日本助産学会誌
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分娩進行に伴う産痛の強度
主観的疼痛と子宮収縮の関連
我部山 キヨ子近藤 潤子
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1992 年 6 巻 1 号 p. 23-30

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抄録

初産婦41人と経産婦64人に対し, 分娩中の5時期 (潜伏期・活動期・極期・分娩第二期・分娩第三期) の産痛の主観的強度を, The Visual Analogue Scale, The Verbal Rating Scale, The McGill-Melzack Pain Questionnaireの3つの主観的疼痛の測定用具を用いて測定した。その中の44人の産婦に対して, 潜伏期・活動期・極期では主観的疼痛の測定と同時期に, 分娩第二期では単独に, 電気生理学的測定装置を用いて, 30分間子宮収縮のピーク値を測定し, 両者の関係を調べ, 次の結果が得られた。
初産婦では極期で最も疼痛得点は高く, 経産婦では分娩第二期が最も疼痛得点は高かった。初産婦と経産婦の比較では分娩第一期までは, 初産婦の疼痛得点が経産婦に比べて有意に高く, 分娩第二期と分娩第三期では, 反対に経産婦が有意に疼痛得点が高かった。主観的疼痛得点と子宮収縮の強度の関係では, 初産婦は活動期に, 経産婦は活動期と極期に比較的高い相関が得られた。

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