1994 年 8 巻 1 号 p. 23-31
助産婦の燃えつき症候群とそれに関連する要因を明らかにする目的で, 助産婦学校卒業後満5年までの助産婦を卒後1年 (145名), 2年 (104名), 3年 (78名), 5年 (96名) の時点で郵送法による自己記入式質問紙調査による縦断調査を行い, さらに満5年の時点で13名に面接調査を行った。
その結果, 満1年にはバーンアウトに陥った者はいなかったが, 2年目以降は13%以上のバーンアウト者が認められた。さらに, 満5年では, バーンアウトに陥った者とその徴候者を除くと正常者は半数に満たなかった。
勤務体制や家庭環境は潜在要因として存在していたが, 家族や友入のサポートで緩和され, バーンアウトの直接要因とはならなかった。しかし, 仕事に対する意識や意欲は, バーンアウトと直接関連が認められ, これは上司, 同僚から仕事への評価に強く影響されていた。また, 配置転換がバーンアウトの直接要因として作用することが明らかになった。