分娩第I期の産痛緩和, 特に, 腰背部の圧迫マッサージは産婦に対する重要な看護である。しかし, 圧迫の部位や方法について, 適切な知見はほとんどないのが現状である。
今回, 分娩第I期の産痛の神経系統の範囲にあるつぼ9か所を選定し, 対象15人に対し, 分娩第I期の中期 (子宮口5~6cm開大時) と後期 (子宮口8~9cm開大時) につぼ圧迫法を実施し, 部位別和痛効果を分娩の進行に併せて検討した。
その結果, 9か所のうち7か所は分娩の進行によって差はあるものの, 有効であることがわかった。同時に, 肥満や体格等対象の属性との関連, 不安度との関連も調査し, 身長, 体重, 妊娠中の増加体重, 腹囲, 児体重等の大小, 促進剤の使用の有無, 不安等が, つぼ圧迫の和痛効果に関連することが明確になった。