2024 年 30 巻 1-2 号 p. 8-12
本研究の目的は,開発したプロトタイプ咬合力測定装置のセンサーの出力変動を明らかにすることである.実験1 として,10 本のセンサーについて,較正用圧力装置を用いて,100 N から700 N まで100 N ごとに7 種類の荷重を各センサーの感圧部にそれぞれ3 回加え,抵抗値を記録後,測定間およびセンサー間の差を調べた.実験2 として,100 N から700 N までの荷重を各センサーの感圧部に加えたときの抵抗値を,異なる日で3 日間測定し,日間変動を調べた.実験1 では,3 回の測定間に有意差が認められなかったが,センサー間では有意差が認められた.実験2 では,各センサーについて3 日間測定した抵抗値に差は認められなかった.これらのことから,開発したプロトタイプ咬合力測定装置のセンサーは,繰り返し測定することによる変動は認められなかったが,センサー間では変動が認められたことから,センサーごとに較正を行う必要があることが示唆された.また,各センサーの出力は,日間変動が認められなかったことから,再現性があることが示唆された.