日本産タキミシダ属にはタキミシダAntrophyum obovatumとシマタキミシダA. formosanumの2種があるが,日本産の植物についてはどちらも染色体数が報告されていなかった.本研究においてこれら2種を採取し,染色体数の算定を実施した.結果として,両種の染色体数は2n = 240および2n = ca. 240と算定され,同種の海外産個体でこれまで報告された染色体数と異なることが明らかになった.タキミシダ属の染色体基数をx = 30と考えると,日本産の両種は八倍体と解釈できる.本研究の結果は,タキミシダ属における高頻度の倍数体形成の可能性を示唆する.