サクラ属（バラ科）の新たな命名とタイプ指定
2016 年 91 巻 5 号 p. 290-294
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2016 年 91 巻 5 号 p. 290-294
筆者らは平凡社から発行する予定の『改訂新版 日本の野生植物』のバラ科の解説を担当した．その中のサクラ属(Cerasus) における6 分類群の学名は，新しく発表する必要が考えられたので，ここに発表する．チチブザクラ(C. ×chichibuensis (H. Kubota & Moriya) T. Katsuki & H. Ikeda)， タカネオオヤマザクラ(C. ×kubotana (Kawas.) T. Katsuki & H. Ikeda)，それにコヒガンザクラ(C. ×subhirtella) の品種としてヤブザクラ (f. hisauchiana (Koidz. ex Hiauti) T. Katsuki & H. Ikeda) とホシザクラ(f. tama-clivorum (Oohara, Ser. & Wakab.) T. Katsuki & H. Ikeda)，コシノヒガンザクラ (f. koshiensis (Koidz.) T. Katsuki & H. Ikeda) の新組み合わせを発表した．オオミネザクラ(C. ×oneyamensis (Hayashi) H. Ohba nothovar. takasawana T. Katsuki & H. Ikeda) については，発表時に2 標本がタイプに指定されていたので，国際藻類・菌類・植物命名規約40 条2 項により，この学名は正式に発表されていない．そこで，雑種変種としてあらたに命名をおこなった．また，Prunus koshiensis Koidz. のレクトタイプ（選定基準標本）を選定した．
