日本外傷学会雑誌
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症例報告
Diffuse idiopathic skeletal hyperostosisにともなう腰椎骨折で生じた腰動脈損傷により腹部コンパートメント症候群をきたした1例
川嶋 太郎当麻 美樹高岡 諒佐野 秀高橋 晃伊藤 岳小野 雄一郎小野 真義馬越 健介
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2014 年 28 巻 3 号 p. 267-272

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抄録

 びまん性特発性骨増殖症(diffuse idiopathic hyperostosis:DISH)にともなう腰椎骨折が原因で腰動脈損傷を生じ,大量後腹膜出血より腹部コンパートメント症候群(abdominal compartment syndrome:ACS)をきたした1例を報告する.
 症例は77歳男性,歩行中の転倒による腰痛で近医受診後転院となった.造影CTで第2腰椎椎体の水平骨折とDISHによる骨増殖部の直接損傷と思われる腰動脈損傷,大量後腹膜出血を認めた.直ちに経カテーテル動脈塞栓術(transcatheter arterial embolization:TAE)を施行したが,膀胱内圧の上昇(39mmHg)に加え呼吸循環障害も出現しACSを合併した.緊急減圧開腹術後にsilo+vacuum packing closureによるopen abdomen managementを施行しACSを解除した.その後,観血的腰椎後方固定術を行い,神経学的後遺症を残すことなく72病日に軽快転院となった.

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© 2014 一般社団法人 日本外傷学会
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