日本外傷学会雑誌
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症例報告
多発外傷の治療中に脳死状態となり妊娠25週で出産した1例
木下 順弘蒲原 英伸藏元 一崇池田 公英入江 弘基笠岡 俊志浅井 篤
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キーワード: 妊婦, 多発外傷, 脳死
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2014 年 28 巻 4 号 p. 323-326

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抄録

 【症例】30代女性,妊娠25週.軽乗用車の後部座席に乗車中,他車と衝突し受傷した.来院時意識清明であった.多発外傷の治療中,原因のはっきりしないびまん性脳腫脹をきたした.神経学的所見,平坦脳波より脳死状態と診断した.家族は母体の延命を希望せず,挙児の希望があり,脳死後4日目に帝王切開術にて718gで出生し,まもなく母体は心停止した.世界的にも脳死母からの出生は極めてまれであり,本例の方針決定の経過を報告する.

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© 2014 一般社団法人 日本外傷学会
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