日本外傷学会雑誌
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症例報告
肝損傷に対するTAE後,遅発性に肝コンパートメント症候群をきたした症例
佐藤 啓太早川 桂五木田 昌士勅使河原 勝伸田口 茂正清田 和也
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2016 年 30 巻 1 号 p. 13-17

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抄録

 循環動態の安定した肝損傷に対して経カテーテル的動脈塞栓が広く行われているが,肝損傷の合併症の一つに胆汁腫がある.今回我々は,止血が完了した亜急性期に胆汁の拡大が原因での肝コンパートメント症候群を経験した.本症例では画像と臨床経過から診断し,穿刺ドレナージで軽快した.胆汁腫が原因での肝コンパートメント症候群は比較的稀な病態であるが,肝損傷診療では念頭に置く必要があり,診断の後には速やかに減圧を行うことが重要である.

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© 2016 一般社団法人 日本外傷学会
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