日本外傷学会雑誌
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臨床検討
ショックを呈した外傷性脾損傷におけるnon-operative managementの有効性と限界
星野 耕大仲村 佳彦大藏 裕子金山 博成入江 悠平田中 潤一石倉 宏恭
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2016 年 30 巻 4 号 p. 438-443

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抄録

 はじめに : 外傷性脾損傷において近年はnon-operative management (以下NOM) の適応が拡大しているため, ショックを呈した脾損傷におけるNOMの有効性と限界について検討した. 対象と方法 : 外傷性脾損傷を認めた18症例を対象とし, ショック群と非ショック群の2群で大量輸血, 大動脈遮断, interventional radiology (IVR) の割合を比較し, NOMの有効性を検討した. 結果 : ショック群は10例, 非ショック群は8例であった. 大量輸血の実施率はショック群で有意に高く (p<0.01), IVR実施率も同様にショック群で有意に高かった (p=0.04). 大動脈遮断はショック群のみで実施されており, 実施率は30% (3/10) であった. ショック群のNOM選択率は80% (8/10), NOM成功率は88% (7/8) であった. NOMに成功した症例はdamage control resuscitation (以下DCR) で循環動態の改善を認め, NOMに失敗した症例は腹部コンパートメント症候群を合併し, DCRでショックの改善を認めなかった. 結語 : DCRを行うことでショックを呈した脾損傷であってもNOMは高い確率で成功した. ただし, DCRでショックの改善を認めない場合は速やかに手術へ移行すべきである.

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© 2016 一般社団法人 日本外傷学会
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