日本外傷学会雑誌
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症例報告
右肝動脈結紮を要したⅢb型肝損傷の治療経験
番匠谷 友紀小林 誠人蕪木 友則門馬 秀介岡 和幸松井 大作前山 博輝杉野 貴彦藤崎 修
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2017 年 31 巻 1 号 p. 13-16

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抄録

 症例は35歳,女性.バイク事故にて受傷,当院へ転院搬送となった.Ⅲb型肝損傷による出血性ショックと診断しperihapatic packingを施行後,血管造影を行った.右肝動脈は上腸間膜動脈から分岐し,A7より造影剤の血管外漏出像を認めた.血管塞栓術を試みたが,abdominal compartment syndrome(以下,ACS)の併発により止血に難渋し,止血とACSの解除のため,開腹下に右肝動脈結紮術を施行した.術後経過は良好で独歩退院となった.予測生存率は27.6%であった.肝動脈結紮術がdamage control surgeryの一選択肢であることを再認識した一例であった.

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© 2017 一般社団法人 日本外傷学会
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