日本外傷学会雑誌
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症例報告
シートベルト損傷による小児外傷性胃穿孔の1例
佐藤 啓太松本 英一伊藤 拓也山内 洋介堂本 佳典田村 佳久高橋 幸二楠田 司
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2018 年 32 巻 3 号 p. 411-413

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抄録

 症例は5歳女児. 乗用車で衝突事故にあった際, 女児は後部座席でジュニアシートを着用していた. 徐々に増悪する腹痛を主訴に受診した. 来院時CTで腹腔内free airと腸間膜脂肪織濃度上昇を認め, 外傷性小腸及び腸間膜損傷を疑い緊急手術を行った. 開腹所見では, 胃体下部大弯部に3cm程度の穿孔部を認めたため穿孔部単純縫合閉鎖, 大網被覆で手術を終了した. 経過は良好で術後8日目に独歩退院した.

 外傷性消化管穿孔は小腸で発生することが多く, 単独胃破裂はまれである1). 3点式のジュニアシートでは, 体格や体勢によってはシートベルトが小児腹部前面に位置するため正面衝突の際には, 衝撃に強い胸郭と骨盤ではなく腹部が圧迫される可能性がある. 小児の解剖学的特徴を理解した上での外傷初期対応と共に, 正しいシートベルト位置での着用が重要である.

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© 2018 一般社団法人 日本外傷学会
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