日本外傷学会雑誌
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症例報告
外傷性メッケル憩室穿孔の1例
小島 直樹高木 淑恵松田 隼長谷川 綾香有野 聡一瀬 麻紀佐々木 庸郎山口 和将稲川 博司岡田 保誠
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キーワード: 腸管穿孔, 鈍的外傷, 腹膜炎
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2020 年 34 巻 3 号 p. 40-43

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抄録

 メッケル憩室は消化管の先天的奇形のひとつで多くは無症状だが, まれに出血や炎症が生じる. 我々は外傷性メッケル憩室穿孔というまれな症例を経験した. 症例は52歳男性, バイク乗車中に受傷し, 左下肢・下腹部に強い自発痛を認めた. バイタルサインは安定, 体表所見は右前胸部, 左側腹部, 手指に打撲痕と挫傷, 左大腿部腫脹を認めた. 造影CT上, 軽微なfree airと腹水を認めた. 経時的に腹水が増加したため同日緊急開腹術を行った. 開腹時, 血性腹水と腸液を確認した. 回盲部から40cmにメッケル憩室の穿孔を認め, 楔状に切離修復した. 他に腸間膜の損傷を数ヵ所認め止血修復し, 術後経過は良好であった. なお, 切除検体の病理検査では異所性粘膜は認めなかった.

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© 2020 一般社団法人 日本外傷学会
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