日本外傷学会雑誌
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症例報告
第一肋骨骨折に合併し, 遅発性に大量血胸を来した鎖骨下静脈損傷の一例
横野 良典廣瀬 智也小川 新史大井 和哉戸上 由貴野間 貴之山田 知輝中江 晴彦水島 靖明
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2020 年 34 巻 3 号 p. 75-78

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抄録

 42歳女性, 交通事故により受傷された. 来院時, 見当識障害, 頻脈と酸素化不良を認め, CT検査で右第一肋骨骨折を含む両側多発肋骨骨折, 右血気胸を認めた. 第2病日に急激な循環虚脱から心停止に陥ったが蘇生により自己心拍再開を得た. 造影CT検査で右大量血胸と胸郭出口部で右鎖骨下静脈の静脈瘤と同部位からの活動性出血を認め, 緊急止血術を行った. 右鎖骨上切開を行い, 鎖骨骨幹部を除去することで鎖骨下静脈と外頸静脈の分岐部が出血源と視認でき結紮止血が可能となった. 第60病日に神経学的後遺症や右肩関節可動域制限なく転院となった. 鎖骨上切開で鎖骨を除去することは鎖骨下静脈損傷に対し良好なアプローチ方法の一つである.

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© 2020 一般社団法人 日本外傷学会
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