日本外傷学会雑誌
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症例報告
造影CT検査で確定診断に至った外傷性持続勃起症の一症例
伊藤 弘村尾 修平中村 洋平小倉 裕司
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2021 年 35 巻 4 号 p. 299-302

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抄録

 症例は21歳, 男性. バイク走行中に乗用車と接触事故を起こし, 当院高度救命救急センターに搬送された. 搬入時, 身体所見では陰茎に打撲痕と持続する勃起症状がみられた. 造影CT検査では内陰部動脈からの造影剤漏出と海綿体洞瘻が確認され, 動脈流入過剰型持続勃起症と診断した. 緊急で血管造影検査を行い, 選択的に内陰部動脈塞栓術を施行した. 造影剤漏出と海綿体洞瘻は消失し, 術直後から勃起症状も消失した. また受傷2ヵ月後には勃起可能となり, 機能障害を伴うことなく経過した. 今回, 比較的稀とされる外傷に伴う動脈流入過剰型持続勃起症に対して受傷当日に造影CT検査で診断し, 血管内治療により治癒した症例を経験したので報告する.

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© 2021 一般社団法人 日本外傷学会
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