行動分析学研究
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通常学級において「めあて&フィードバックカード」による目標設定とフィードバックが着席行動に及ぼす効果
道城 裕貴松見 淳子
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2007 年 20 巻 2 号 p. 118-128

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抄録

研究の目的 本研究は、通常学級において小学校1年生の着席行動に対するクラス全体の目標設定(goal setting)とフィードバック(self-generated feedback)の効果を明らかにすることを目的として行われた。研究計画 ABABデザインを用いた。場面 公立小学校の通常学級において行われた。参加児 公立小学校の1年生29名(男子13名、女子16名)であった。介入 標的行動は、「チャイムがなったらすぐに帰ってきて座る」であった。介入では、クラス全体に目標を設定し、標的行動を達成できているかについて児童自身がフィードバックを与えた。「めあて&フィードバックカード」を机に貼り、目標とそれに対するフィードバックを記入した。社会的妥当性の検討のために、(1)授業開始時(着席行動後)のon-task行動の観察、(2)授業開始時間の測定、(3)介入効果についてのアンケートを行った。行動の指標 事象記録法(event recording)を用いた。結果 着席行動は、介入期において大きな増加が見られた。また社会的妥当性の指標である(1)on-task行動は増加し、(2)授業開始にかかる時間は減少した。結論 着席行動に対する目標設定とフィードバックの効果の確認、及び手続きの社会的妥当性を確認できた。

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© 2007 一般社団法人 日本行動分析学会
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