行動分析学研究
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連続強化スケジュール,間欠強化スケジュール,消去がハトのキーつつき反応の位置次元および距離次元における行動変動性に及ぼす効果(特集号 行動変動性の実験研究とその応用可能性22巻2号追加論文)
茅野 一穂小原 健一郎古野 公紀小美野 喬
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2009 年 23 巻 2 号 p. 159-172

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抄録

研究の目的CRFおよび4種の間欠強化スケジュールが行動変動性に及ぼす効果について、比較的広範囲な反応領域を持つオペランダムを用いて、ハトのキーつつき反応を系統的に分析した。研究計画単一被験体法を用いた。場面抵抗膜方式タッチスクリーンをオペランダムとしたハト用オペラント実験箱を用いた。被験体デンショバト(3羽)を用いた。独立変数の操作CRF、および4種の間欠強化スケジュールにおいて2つの設定値を設けた。いずれの強化スケジュールも、その終了後に消去を行った。行動の指標(a)キーつつき反応の位置分布、(b)反応位置の情報量(c)連続する2反応間の距離(IRD)をもとにした平均変動量、および(d)機会あたりの反応間距離の出現確率(IRDs/OP)の4種類を用いた。結果位置次元において、先行研究と同様に、CRFの維持期から消去期への移行に伴い行動変動性が増加した。距離次元において、IRDs/OPを統計的に分析(コルモゴロフ・スミルノフ検定)することにより、多くの強化スケジュール間に行動変動性が認められた。結論距離次元を測定対象とし、IRDs/OPを分析指標とすることにより、強化スケジュールが行動変動性に及ぼす効果について統一的な知見が得られることが示唆された。

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© 2009 一般社団法人 日本行動分析学会
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