応用行動分析学は、行動の科学であり、徹底的行動主義は、応用行動分析学の哲学である。応用行動分析学は、社会的に重要な行動とその制御変数の関係に焦点を当て、徹底的行動主義に徹底している。徹底的行動主義は普遍性をもつ概念の体系であり、その特徴は包括性にある。応用行動分析学は、徹底的行動主義の包括性からの必然的な帰結として、関連領域の多様なヒューマンサービスの科学と実践の成果を、その体系に統合しながら、新たなヒューマンサービス領域を打ち立てている。同時に、応用行動分析学の研究者、実践者であるならば、徹底的行動主義の哲学を、日々のヒューマンサービスに関する行動に徹底的に活用しているはずである。本論文は、これまで個別的に討議されてきた応用行動分析学内での重要な論点、関連領域との接点を明示し、徹底的行動主義の観点から、それらを応用行動分析学の体系に統合し、さらなる包括的な体系を日常のヒューマンサービスの実践と研究に活用するための方法を提供することを目的とする。