2022 年 37 巻 1 号 p. 9-19
研究の目的 本研究では、統合失調症と診断され、自宅にひきこもっていた対象者に対して、その日常場面において、GPSを利用した外出記録およびSNSを利用したリアルタイムモニタリングを通して介入を実施し、その効果を検討することを目的とした。研究計画 フォローアップ付きのABB’デザイン 場面 カウンセリングルームおよび、クライエントの日常生活場面。対象者 他者からの幻聴の訴えおよび、外出の困難を主訴として来談した女性とその家族であった。介入 地域のスーパーやショッピングモールにてエクスポージャーを実施した。また日常生活においても外出訓練を行った。行動の指標 一人で外出できた時間、外出頻度、外出レパートリーを測定した。結果 介入によって外出の時間や頻度、外出レパートリーが増加し、アルバイトができるようになった。結論 幻聴を訴えてひきこもっていた女性に対して、本人および家族への心理教育を含めたエクスポージャーが効果的であった。またその際、クライエントの日常生活において、スマートフォンのGPS機能を利用した外出時間の測定およびSNSを通したリアルタイムモニタリングによって有効性を検証することができた。