論文ID: 22-012
ダイバーシティの推進が叫ばれるなか、取り組みが不十分であるのが現状である。ダイバーシティ推進のために障壁となりうるものがスティグマやステレオタイプである。本稿では、ダイバーシティ推進のために、認知行動療法論的アプローチがどのように寄与できるかについて述べる。具体的には、ダイバーシティの視点を取り入れた認知行動療法、認知行動療法を通したスティグマへのアプローチ、接触仮説に基づくスティグマ低減、について自閉スペクトラム症の研究報告を通じて展望する。これらを踏まえ、社会モデルインフォームドな認知行動療法のためにアカデミアおよび支援者が社会の認知・行動変容に向けて取り組む必要性についても論じた。