論文ID: 23-020
本研究は、スクールカウンセラーが包括的支援アプローチに学校内の恐怖や不安に合わせて技法選択する方法を追加したものを、担任および叱責場面に対する恐怖と他生徒に対する不安によって不登校状態を呈した中学1年生に適用し、その効果と課題を検証した。技法選択は、対話の有無、不安拮抗反応の有無を主な基準とした。担任恐怖には、主張反応法と刺激フェイデング法、イメージ脱感作を適用し、学校内の同級生の視線不安場面には、イメージ脱感作と内言による現実脱感作を適用した。再登校行動のシェーピングは、保健室を活用した段階的登校法と学習指導、体力指導、適切な休み方指導を併用実施した。約2カ月間の介入の結果、全授業と部活動に参加できるようになり、その後大学進学まで無欠席であった。本研究で提案した学校内の恐怖、不安に対する技法選択基準の有効性が示唆された。課題は、予習指導と客観的評価の導入である。