生物教育
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研究論文
中学校理科第2分野「自然と人間」における活動教材の効果について
―環境教育プログラム「プロジェクト・ワイルド」を用いた授業実践―
大鹿 聖公
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2006 年 45 巻 3 号 p. 170-180

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抄録

環境教育プログラム「プロジェクト・ワイルド」の活動教材を用いて,中学校理科第2分野「自然と人間」における「自然と環境」で授業実践を行い,プログラムが学習内容の理解や生徒の授業参加に与える効果について調べた.

環境教育プログラムである「プロジェクト・ワイルド」は,野生生物を題材とした100を越えるアクティビイティからなる学校教育での環境教育の普及を目指した補完的教材である.この教材の中から動物の個体数の変化について生徒の活動を通して学習する活動「オー・ディア」を用いて,中学校3年生を対象に授業実践を行った.

その結果,全てのクラスにおいて積極的に授業活動が行われ,動物の個体数の変化,動物の生存にかかわる環境要因の影響などについて,生徒の理解が高まることが明らかとなった.また,授業の実施前後に行った調査から,生物が生存するのに必要となる環境要因や生物の個体数の変化について理解が深まっていることも明らかとなった.

このように,環境教育プログラム「プロジェクト・ワイルド」の活動教材を,中学校理科第2分野の教材として取り入れることは,学習者の授業への参加意欲および内容理解に対して効果的であるだけでなく,環境教育に対する興味や関心を育成できることがわかった.

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© 2006 一般社団法人 日本生物教育学会
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