2017 年 58 巻 3 号 p. 130-137
本稿では古生物学という学問と,絶滅した中生代の化石海生爬虫類である首長竜について解説した.化石の研究は古生物学と呼ばれ,考古学と間違われやすいが,地学と生物学の境界に位置しており,博物館との関わりも深い.古生物学に関連するトピックは小学校から高等学校までの様々な学年の理科教科書に登場し,高校教科書では地学と生物学の両方にまたがっている.
首長竜は恐竜であると思われがちであるが,系統学的な定義でも骨の形態でも異なる別個の分類群である.また,福島県で発見された首長竜フタバスズキリュウを用いて,学名や記載論文の意義についても解説した.