学校現場において,発光バクテリアの活用があまり進んでいないことから,Photobacterium kishitaniiを用いて教材化を改めて試みた.1つは,バクテリアの発光が酸素に依存していることを確かめる教材である.大型試験管でバクテリアを液体培養し,そこに市販の錠剤(CaO2)を入れると,錠剤から発生する酸素とともに光る部分が液面に向かって上昇する様子が観察できた.もう1つは,バクテリアの発光量が重金属(Cu2+及びZn2+)の影響を受けることを確かめる教材である.段ボール箱製の暗箱の中に太陽電池を取り付け,バクテリアの発光によって太陽電池から生じる電圧を測定する装置を作製した.小型シャーレに入れたバクテリア懸濁液に重金属を加え装置に入れると,電圧が時間経過とともに下がり,重金属の影響を示すことができた.