バイオフィードバック研究
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ロゴセラピーの身体次元-心理次元-精神次元の関係から考えるバイオフィードバックの付加価値(シンポジウム2014:バイオフィードバックの付加的な価値を探る)
山口 浩
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2015 年 42 巻 1 号 p. 11-17

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抄録

本稿は2014年6月28-29日に開催された第42回日本バイオフィードバック学会学術総会のシンポジウム「バイオフィードバックの付加的な価値を探る」でシンポジストとして発表した内容をまとめ直したものである.シンポジストとしての筆者の役割は,臨床心理士・大学教員としてバイオフォードバック(以下BF)法の付加的な価値をどう考えるかを論考することであった.筆者は,東日本大震災被災後,臨床心理士として岩手県の被災者・支援者支援を目的にBF法を用いたストレスマネジメント研修を行ってきた.その経験も踏まえながら,BF法の利用価値を,本法が本来持つ一次的(primary)価値(基本的価値)と,付け加えることができたり結果として生じる二次的価値(付加価値)とを区別した.BF法がもつ基本的価値には,(1)心身に係わる援助を必要とする方々にとって,「からだ」から「こころ」に働きかけるBF法は心理的抵抗感が少なく,特に被災者の方々へ支援する場合にこの価値は大きいこと,(2)常にクライエントに現実のデータに注意を戻させる「現実」立脚的視点を提供すること,(3)クライエントの心身相関への気づきを促すこと,(4)自らの内的な「感覚・感情・イメージ・思考」あるいは「反応」に対するセルフコントロールの獲得を目指すこと,があげられる.そして付加価値として,(1)セルフコントロール獲得により,結果としての自己効力感が高まること,(2)ゲーム的なフィードバック信号により訓練への動機づけが高まることがあげられる.また,BF法は,本来的に身体(生理)次元-心理次元へのセルフコントロールに係わっており,ロゴセラピーの視点を援用すれば,(3)身体-心理次元に対する精神次元の「自己距離化」や「自己超越」を通しての付加価値を付け加えることができること,さらに,(4)症状コントロールに対するマインドフルネス的な構えの獲得にもつながる付加価値を持つことを議論した.以上より, BF法は,身体次元-心理次元-精神次元にわたって,人間の主体性を取り戻させる心理療法であると位置づけられよう.

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© 2015 日本バイオフィードバック学会
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