抄録
痛みへの選択的注意を測定する自己記入式質問票として、Pain Vigilance and Awareness Questionnaire(PVAQ;McCracken, 1997)は近年高く評価されており、慢性疼痛患者のみならず健常者を対象とした研究でも広く利用されている。本研究では一般大学生722名を対象としてPVAQ日本語版を作成し、信頼性と妥当性を検討した。確認的因子分析を行った結果、先行研究(Roelofs et al., 2002)と同様に「痛みへの注意」「痛みの変化への気づき」の2因子構造であることが示された。また、PVAQ日本語版の十分な内的整合性と、測定に使用する際に満足な併存的妥当性が確認された。このようにPVAQ日本語版は、海外での先行研究と同様に高い信頼性と妥当性を有していることが確認された。