抄録
本研究は、摂食障害のひとつの特徴である食行動異常度によって、食事や体型・体重とそれらに対する評価との連合強度に差が生じるかどうか、Greenwald et al.(1998)の開発したIAT(Implicit Asso-ciation Test)を用いて検討することを目的とした。 EAT-26(Eating Attitudes Test-26)で群分けされた56名の女子学生を実験参加者とし、用意したFOOD-IATとBODY-IATを実施した。その結果、 FOOD-IATではEAT得点による差は確認されなかったが、 BODY-IATでは有意な差が確認された。これにより食行動異常度の高い群においては、質問紙尺度で測定された食事や体型・体重に関する非機能的信念は強いものの、潜在的な態度においては体型や体重に関したもののみで差があり、食事に関しては差がないということが示された。最後に、IATの応用可能性と今後の課題が議論された。