2007 年 33 巻 2 号 p. 123-132
入眠困難にかかわる認知的要因のひとつとして、入眠時認知活動(pre-sleep cognitive activity:PCA)は重要な役割をもつとされる。本研究は、PCAの程度を測定する指標として、入眠時認知活動尺度(the Pre-Sleep Cognitive Activity Scale:PCAS)の作成と信頼性、妥当性の検討をおこなったものである。PCASは、因子1:ネガティブな考え事・感情、因子2:眠れないことへの不安、因子3:眠れないことがもたらす影響への心配、の3因子で構成されており高い信頼性が認められた。また、他尺度との相関を検討することにより妥当性の確認をおこなった。本研究結果は、PCASの信頼性と妥当性を示すものとして十分なものであった。本研究で作成されたPCASは、今後の入眠困難の認知的側面の研究に、その有用性が期待できる。