地図
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ヨーロッパの地図製作環境と地図のデザイン
金沢 敬
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1967 年 5 巻 1 号 p. 6-13

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抄録
羽田を22時50分に飛立った北回りジェット機は実動18時間05分, 暦日時で翌朝8時55分にパリのオルリー空港に到着する。東京から特急で鹿児島に行くより短かいわけである。約1カ月かかる船便の場合と異なり, 肉体的に十分な順応ができないので, すべての事柄が明確な実感をもって体得されるまでに若千の時日を必要とするようである。その程度はもちろん大きな個人差があるとしても, 東京から鹿児島に到着したときに比べ, 誰の場合でもかなりの相違がある。その原因の大きな一つである生活環境の著しい違いは, 地図作成と地図デザインの考え方にも当然投影しているのでないかと思う。ヨーロッパから移植した技術を源とする此方の場合と比べ, 現実の実態を直接感覚的に知ることは, これからの発展のあり方を考える上に重要なことであろう。本稿では, 特に技術者の構成と作業環境ならびに地図デザインに関し, ヨーロッパの若干の地図機関訪問と国際地理学連合 (IGU) ナショナル地図帳委員会の出席において得た, いくつかの事柄の紹介と共に, 題目に関するいささかの考えを述べたい。ただふりかえって見ると, 短時日の見聞による大きな思い違いや見おとしがあったのではないかと恐れる次第である。ご指摘あるいはご教示を戴ければ幸甚に思うものである。
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© 日本国際地図学会
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